【中国ニュース】中国が1元札を無くす、真の理由
投稿日:2016/03/1
近日、中国では1元札がなくなるというニュースが、非常に関心を集めた。
そのきっかけは、人民銀行済南分行が1月に分布した「青島、済寧など五つの町に1元札を無くす、コインにとってかわる」という公告である。まだ試行の段階だが、1元札が全部回収された後は、世の中からなくなるという。
このことについて、マスコミが四つの原因を推測している。
- お札よりコインの寿命のほうが長い。
- 1元コインのほうが、自動販売機、停車場、バスなどに多く使われる。
- ウィルスの防止に有益である。
- リサイクル可能で、木材を使う必要もなくなるうえに、回収して再利用できる。
この四つの点ももちろん大事だが、しかし真の理由は指摘される。それは通貨切り下げということである。中国は過去の30年での通貨の発行のスピートが早すぎて、M2の増速はGDPの2~3倍を維持している。しかし、2016年2月末のM2増速は13.3%、それに対して、GDPの増速は6.5%にしかない。
常識では1元のコインも1元札も製造コストは1元を超えるが、コインの使用寿命ははるかにお札を超える。政府筋のデータによると、1元のコインの使用回数が3万回に達するという、平均流通時間は30年。しかし1枚のお札の使用回数は300回、寿命はコインの1/100。
少しでも経済知識を持つ人間だったら、簡単に悟る。例えば、100元のお札の製造コストが10元であれば、銀行は全市民から90元回収し、90元の利益を得られるが、1元札は、逆にマイナスになる。
「損をする商売はしたくない」理由こそが、1元札がなくなる真の原因だと思われる。
しかし、1元札はすぐには消えない。完全に無くすまでまだ5年~10年がかかると指摘されている。
※中国人民銀行ニュースより引用