中国不正事例:発票の偽造
投稿日:2016/03/9
中国子会社特有の不正事例として、発票の偽装による経費の水増し精算があります。
社員が市中で偽造発票を購入し、それをエビデンスとして利用して架空の経費を申請しているのです。
偽造発票は、見ればすぐに偽造と判明するものであれば、すぐに気が付く、
発見できるということになりますが、偽造を見抜くことは非常に困難です。
というか、見ただけで偽装を見抜くことはほとんど不可能です。
発票のブランクフォームは、中国税務当局が販売しているものであることは、多くの方がご存じでしょう。
では、誰が発票を偽造しているのか?と質問しても、正しく答えられる人はいないでしょう。
答えは、中国税務当局の担当官です。
中には、税務当局とは関係ない業者が偽造することもありますが、
こちらは、紙の厚さが違うなどで見抜けるケースがあるようです。
企業が発票を使い切ると、新たなブランクフォームを購入するために、税務当局を訪れます。
税務当局は、ブランクフォームを販売するうちに、在庫がだんだん減っていきます。
在庫がなくなる前に、新たなブランクフォームを印刷業者に発注します。
不正を働いている担当官は、この発注の際に、必要部数を超える部数を発注するのです。
そして、必要部数を超えて仕入れた発票を、この担当官は、市中で売却して私腹を肥やしているのです。
そして、日系企業の中国子会社の社員は、この偽造(といっても見た目は全くのホンモノ)を購入して、
水増し経費精算に悪用するのです。
この現実を教えてくれた、ある税理士法人の知人(日本公認会計士)と以下のようなやり取りをしました。
私:偽造発票を市中で売るといっても、簡単には売れないでしょう?
知人:そんなことないよ。北京でも上海でも、町のど真ん中で「ファーピャオ、ファーピャオ」って売ってるよ。
全く、日本の常識では考えられませんね。
ちなみに、各地域の地方税務局のサイトで、発行番号などを打ち込めば、真偽を検索できるようです。